20代の5年間を、何に使うか。辞めない人のための考え方

私は新卒で入った会社を1年で辞めました。その話を書くと、「辞めたほうがいい」と勧めているように読まれることがあります。

そうではありません。辞めたこと自体は結果的に良かったと思っていますが、辞め方は失敗でした。目標も道筋も次の席も決めずに辞めて、年収は350万から260万に落ちました(新卒1年で会社を辞めた判断を、5年後の自分が採点する)。

この記事は、辞めない人のために書きます。いまの会社にいながら、20代の5年間を、ただ過ぎる時間ではなく、積み上がる時間に変えるための考え方です。

5年間は、長い

まず、5年という時間の長さを確認しておきます。

私は23歳で年収260万の派遣社員でした。28歳で年収900万の事業責任者です。この間、5年です。

5年あれば、これだけ変わります。逆に言えば、5年間を同じ場所で、同じ仕事を、同じ給料で過ごすこともできます。どちらも5年です。

新卒で入った会社で、私は半年で仕事を覚えました。そのあと4年半、同じ仕事を続ける決まりでした。あのとき私が耐えられなかったのは、仕事のきつさではなく、「この4年半で、自分に何が積み上がるのか」が見えなかったことです。

5年間を測る、2つの物差し

辞めるかどうかを決める前に、いまの5年間がどういう時間なのかを測る物差しが2つあります。

物差し1:学習曲線

この半年で、新しくできるようになったことはあるか。

入社してしばらくは、誰でも学習曲線が立っています。覚えることが多く、毎月できることが増える。問題は、その曲線がいつ寝るかです。

私の場合、半年で寝ました。新しく覚えることがなくなり、同じ作業を繰り返す時間になった。給料はもらえますが、自分の市場価値は増えません。20代でこの状態が続くのは、いちばんもったいない時間の使い方です。

ただし、学習曲線が寝ているかどうかは、会社の問題ではなく、席の問題です。同じ会社でも、席を替えれば曲線はまた立ちます。

物差し2:席の値段

いまの席の、5年後の年収はいくらか。

年収は、能力よりも「どの席に座っているか」でほぼ決まります。新卒の会社では、どれだけ早く仕事を覚えても、5年間は年に5,000〜10,000円しか昇給しませんでした。私の能力の問題ではなく、その席の値段が、そう決まっていたからです。

いまの席の5年後の値段は、たいてい調べれば分かります。先輩の年収、昇給のテーブル、役職ごとの給与。それが、自分の目指す数字に届くかどうか。届かないなら、努力しても結果は変わりません。席の値段は、努力で上がらないからです。

辞めずに席を替える、という選択肢

2つの物差しで「まずい」と出ても、答えは「辞める」だけではありません。同じ会社の中で、席を替えるという選択肢があります。

私がそれをやったのは、派遣先でした。派遣社員という席にいたまま、会社は変えずに、3か月で正社員、半年でマネージャー、1年半で課長代理と、席だけを替えていきました。年収は260万から500万になりました。

きっかけは、派遣先が管理職不足に困っていたことです。会社が困っている場所には、空いている席があります。そこに座れば、学習曲線はまた立ち、席の値段も変わります。

辞めずに席を替えるためにやったことは、派遣社員から3か月で正社員になるまでにやったことに書きました。要点は、会社が困っている仕事を見つけて、動くものを作って見せることです。これは、派遣でなくてもできます。

5年間を積み上げに変える、3つの問い

辞める・辞めないの前に、次の3つに答えてみてください。

1. この半年で、新しくできるようになったことはあるか。 なければ、学習曲線が寝ています。いまの席で新しい仕事を取りにいくか、席を替えるか、どちらかが必要です。

2. いまの席の5年後の年収は、自分の目指す数字に届くか。 届かないなら、努力の問題ではありません。席の問題です。社内で届く席を探すか、社外に探すか。

3. そもそも、目指す数字を決めているか。 1と2に答えるには、目標の数字が要ります。「30代前半で年収1000万」のように、数字と期限で決まっていないと、いまの席が良いのか悪いのかも判定できません(目標は「数字と期限」で決める)。

3に答えられないうちは、辞めないでください。私はそこを飛ばして、1年余計に遠回りしました。

5年後の自分から、いまを見る

私の5年間は、辞めたから始まったわけではありません。目標を決めて、逆算して、目の前の会社の空席に座ったところから始まりました。

同じ5年間で、いまの会社にいながら、席を2つ3つ替えて、学習曲線を立て直し続けることもできます。辞めることは手段のひとつであって、目的ではありません。

大事なのは、5年後の自分が、この5年間を「積み上がった」と言えるかどうかです。そのために必要なのは、辞める勇気ではなく、いまの席を測る2つの物差しと、目指す数字です。

まとめ

  • 5年は長い。同じ5年で、260万が900万にもなるし、何も変わらないこともある
  • 物差しは2つ。学習曲線が立っているか。席の値段が目標に届くか
  • どちらも会社の問題ではなく、席の問題。辞めなくても、席は替えられる
  • 会社が困っている場所には、空いている席がある
  • 辞めるかどうかの前に、目指す数字を決める
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遊佐

Fラン卒・23歳で年収260万の派遣社員から、転職3回を経て28歳で年収900万の事業責任者に。学歴・資格・コネなし、あるのは数字で考える癖だけ。「23歳の自分に渡したかった地図」をここに書いています。

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