23歳のとき、私は「30代前半で年収1000万」という目標を決めました。当時は派遣社員で、年収は260万円です。
いま28歳で、年収は900万円。目標まで、現実的な距離に来ました。
振り返って思うのは、この5年間でいちばん効いたのは、努力の量ではなく、最初に目標を「数字と期限」で決めたことだったということです。この記事では、その決め方を書きます。
「頑張る」では動けない
目標を決める前の私は、ずっと「頑張ろう」「このままじゃだめだ」と思っていました。でも、何も変わりませんでした。
理由は単純で、「頑張る」は目標ではないからです。どこに向かって、いつまでに、どれくらい。それが決まっていないと、今日なにをすべきかが決まりません。今日なにをすべきかが決まらないと、人は目の前の楽なことをします。
「成長したい」「市場価値を上げたい」「もっと稼ぎたい」。どれも同じです。方向は合っていても、測れないものは追えません。
私の目標が持っていた3つの条件
「30代前半で年収1000万」には、3つの条件が揃っていました。
1. 数字で測れる
1000万円。届いたか、届いていないか、誰が見ても分かります。途中経過も測れます。260万、500万、550万、900万。いま自分がどこにいるかが、いつでも数字で確認できました。
2. 期限がある
「いつか1000万」ではなく「30代前半で」。期限があると、逆算ができます。30代前半までにあと何年。その間に、何回ポジションを上げる必要があるか。いまの会社で間に合うか。
期限は、判断を速くします。25歳で年収500万になったとき、その会社では十分に評価してもらっていました。でも「この会社にいて、30代前半で1000万に届くか」と考えれば、答えは出ていました。
3. 自分が本気になれる理由がある
これがいちばん大事です。
私はずっと、誤魔化してきた人間でした。学生時代の部活動では、小中学生の頃はチームの中心で全国大会にも出た。ところが高校では控えに回り、最後はケガを言い訳にして大学の推薦を辞退しました。受験も失敗したのに、第一志望だったような顔をして過ごしました。
23歳で仕事も恋人も失って、もう誤魔化すものがなくなったとき、もう一度あの全国大会のような達成感を味わいたいと思いました。私の地域では、全国大会に出られるのは約100チームに1チーム。上位1%です。
そんなとき、「30代前半で年収1000万に届く人は約1%」というデータを目にしました。
全国大会と同じ、上位1%。だからこの数字にしました。
年収1000万という数字そのものに意味があったわけではありません。自分が本気になれる理由と、数字が結びついたことに意味がありました。人から借りてきた目標は、しんどくなったときに手放してしまいます。
数字は、統計で確かめる
目標の数字を決めるとき、その数字が世の中でどのくらいの位置なのかを確かめておくことを勧めます。高すぎれば心が折れるし、低すぎれば本気になれません。
国の統計(総務省「令和4年就業構造基本調査」)から計算すると、雇用者のうち高年収層の割合はこうなります。
| 年齢 | 年収 | 割合 |
|---|---|---|
| 25〜29歳 | 900万円以上 | 約0.4% |
| 30〜34歳 | 1000万円以上 | 約1.3% |
| 35〜39歳 | 1000万円以上 | 約2.7% |
同じ1000万でも、30代前半と後半では難しさが2倍違います。「何歳までに」をどこに置くかで、取るべき道が変わるということです。
目標から逆算すると、今日やることが決まる
目標が決まったあと、私がやったのは逆算でした。
30代前半で年収1000万 ← そのために、企業の幹部になる ← そのために、マネジメント経験を積む ← そのために、いまいる派遣先でマネージャーになる ← そのために、今日、課長に業務改善を提案する
いちばん上は5年以上先の話ですが、いちばん下は今日の話です。目標が数字と期限で決まっていると、ここまで降ろせます。
途中の道の選び方は5つのルートの記事に、派遣先で実際にやったことは派遣社員から3か月で正社員になるまでにやったことに書きました。
目標は、迷ったときの物差しになる
目標を決めてからの5年間、転職を含めて何度か大きな判断をしました。そのたびに使った問いは、ひとつだけです。
「これは、30代前半で1000万に近づくか」
26歳のとき在籍していた大企業は、真面目に働けば30代後半には誰でも年収800万に届く、恵まれた会社でした。安定を考えれば、残る理由はいくらでもあります。でも私の目標は「30代前半で1000万」でした。物差しに当てれば、答えは決まっていました。
目標がないと、判断のたびに「どっちが得か」「どっちが楽か」「周りはどう思うか」で迷います。目標があれば、物差しは1本で済みます。
目標の決め方:5つの手順
- 自分が本気になれる理由を探す。 きれいな理由でなくていい。私の場合は、誤魔化してきたコンプレックスでした。悔しさ、劣等感、見返したい相手。強い感情が動くものを選ぶ
- それを数字にする。 年収、役職、貯金額、何でもいい。届いたかどうかが誰にでも判定できる形にする
- 統計で位置を確かめる。 その数字は同世代の上位何%か。高すぎず、低すぎないか
- 期限を切る。 「いつか」は禁止。何歳までに、と決める
- 逆算して、今日やることまで降ろす。 降ろせないなら、間の段が足りていない。届くルートを調べ直す
まとめ
- 「頑張る」「成長する」は目標ではない。測れないものは追えない
- 目標は、数字で測れて、期限があって、自分が本気になれる理由と結びついていること
- 数字は統計で位置を確かめる。期限をどこに置くかで、取るべき道が変わる
- 目標から逆算すれば、今日やることが決まる
- 目標は、迷ったときの物差しになる
23歳の私には、学歴も実績もありませんでした。持っていたのは、数字と期限のついた目標だけです。それでも、今日やることは決まりました。



