23歳、派遣社員、年収260万円。そのとき私は「30代前半で年収1000万」を目標に決めました。
30〜34歳で年収1000万円を超えている人は、約1%です。※
100人に1人の場所に、がむしゃらに頑張るだけでは届きません。届く人は、届く道の上にいます。だから最初にやったのは、努力ではなく、道を全部書き出すことでした。
この記事では、当時私が整理した5つのルートと、そこから1本に絞った消去の過程をそのまま書きます。
先に結論
- 30代前半で1000万に届くルートは、大きく5つしかない
- ルートごとに必要な「入場券」が違う。学歴が要る道と、要らない道がある
- 学歴も実績もない私が選べたのは「スタートアップ・中小企業の幹部になる」の1本だった
- どれが正解かは人による。大事なのは、自分の持ち札で通れる道を選ぶこと
前提:年収は「どの席に座るか」でほぼ決まる
ルートを調べて最初に分かったのは、年収は能力よりも、座っている席で決まるということでした。
同じくらい優秀で、同じくらい働いていても、業界と会社と役職が違えば年収は2倍にも3倍にもなります。新卒で入った映像業界の会社では、どれだけ早く仕事を覚えても、5年間は年に5,000〜10,000円しか昇給しませんでした。私の能力の問題ではなく、その席の値段がそう決まっていたからです。
つまり、1000万に届きたいなら「1000万が支払われる席」を特定して、そこに座る方法を考えればいい。問いが「どう頑張るか」から「どの席に、どうやって座るか」に変わりました。
1000万に届く5つのルート
ルート1:そもそも年収が高い業界・会社に入る
総合商社、外資系の投資銀行やファンド、戦略コンサル・総合コンサル、高収益で知られるメーカー、M&A仲介、大手デベロッパー、メガバンクや大手生損保の一部、キー局、大手広告代理店など。
会社の給与テーブルそのものが高いので、入ってしまえば、普通に昇進するだけで30代前半に1000万が見えます。
- 入場券:新卒なら学歴。中途なら、学歴に加えて前職の看板や実績
- 後追いの定番:新卒で入れなかった人は、20代後半でコンサルに転職するのが最も一般的。未経験の採用枠が大きく、数年でマネージャーに上がれば30代前半に間に合う
- 弱点:入口の競争相手が、有名大卒のエリートになる
ルート2:インセンティブ型の営業で稼ぐ
M&A仲介、投資用不動産、不動産売買仲介、外資系生命保険、SaaSの大手企業向け営業など。売った分だけ収入が増える仕事です。
- 入場券:ほぼ不要。学歴も経歴も問われにくい。5つの中で再現性はいちばん高い
- 弱点:成績が落ちれば、収入もそのまま落ちる。労働時間も長くなりやすい。「一度届く」ことと「届き続ける」ことは別の話になる
ルート3:スタートアップ・中小企業の幹部になる
CxO、事業責任者、部門長といったポジションに就く道です。
大企業なら40代でようやく回ってくる役職が、人が足りない会社では20代・30代に回ってきます。会社の利益に直接責任を持つ立場なので、報酬もそれに見合った額になります。
- 入場券:学歴は問われにくい。代わりに「この人に任せて大丈夫か」を証明できる実績、特にマネジメント経験
- 弱点:席の数が少なく、求人として表に出にくい。会社そのものが傾くリスクもある
ルート4:大手で最速昇進する
課長級で1000万に届く会社(大手金融、インフラ、一部のメーカーなど)に入り、同期で最も早く昇進する道です。
- 入場券:まず、その会社に入れること
- 弱点:年功序列の色が残っていて、どれだけ優秀でも昇進の速度に上限がある。30代前半に間に合う会社はかなり限られる
ルート5:本業+副業、または独立
本業で600〜800万を稼いで副業で200〜400万を足す。あるいはフリーランス(エンジニア、コンサル、マーケターなど)や起業。
- 入場券:不要。誰でも今日から始められる
- 弱点:収入の上限がない代わりに、下限もない。フリーランスの「売上1000万」と会社員の「年収1000万」は、手元に残る額が違う点にも注意が要る
私の消去の過程
ここからが本題です。5つのうちどれを選ぶか。私は次の4つの軸で判定しました。
- 入場券を持っているか(学歴・職歴・実績)
- 30代前半に間に合うか
- 稼ぎ続けられるか
- 自分の動機に合っているか
当時の私の持ち札は、Fラン卒、職歴は1年で辞めた会社が1社、資格は運転免許だけ。これを当てはめるとこうなります。
| ルート | 入場券 | 間に合うか | 続くか | 動機に合うか | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 高年収の業界 | △ コンサルの未経験枠なら可能性はある | ○ | ○ | ○ | 保留 |
| 2 インセンティブ営業 | ○ | ○ | × | ○ | 消去 |
| 3 スタートアップ・中小の幹部 | △ 今はないが、作れる | ○ | ○ | ○ | 保留 |
| 4 大手で最速昇進 | × | × | ○ | ○ | 消去 |
| 5 副業・独立 | ○ | ○ | △ | × | 消去 |
ルート4を消した理由。 そもそも入れません。仮に入れても、年功序列の中で30代前半に間に合わせるのは難しい。最初に消えました。
ルート2を消した理由。 条件だけを見れば、いちばん現実的な道です。学歴不問で、結果を出せば20代でも届く。ただ、成績が落ちれば収入も落ちる構造が引っかかりました。私が欲しかったのは「一度1000万に触ること」ではなく、「1000万の席に座り続けること」だったからです。
ルート5を消した理由。 これは能力ではなく、動機の問題です。私が目標を立てた理由は、学生時代から誤魔化してきたコンプレックスと向き合うためでした。同世代と同じ土俵、つまり会社員としてのキャリアで上位1%に入りたい。副業や独立で届いても、私にとっては別の競技で勝ったことになってしまう。だから、いったん外しました。
残った1と3の比較。 ルート1で現実的なのは、コンサルへの未経験転職です。ただしそれは、有名大学を出て有名企業に勤めている人たちと、同じ面接会場に座ることを意味します。経歴で勝てない相手と、経歴を見られる場所で戦う。勝率の低い勝負でした。
ルート3は逆です。学歴や職歴の制限がなく、ポテンシャルと実績で評価されるはずだ、と仮説を立てました。入場券は今は持っていない。でも、これから自分で作れる。
決めたのは、ルート3です。
ルートが決まると、次の一手が決まる
ルート3を選んだ瞬間に、やるべきことが逆算で決まりました。
30代前半で1000万 ← 企業の幹部になる ← 「任せて大丈夫」と思わせる実績が要る ← まずマネジメント経験を積む
派遣社員の私に、目立つ実績を作れる環境はありません。でもマネジメント経験なら、取りに行く方法がある。そう考えていたとき、派遣先の会社が「管理職が定着しない」と困っていることに気づきました。
ここから先、派遣社員のまま3か月で正社員になり、1年半で課長代理になるまでの話は、次の記事で詳しく書きます。
あなたが選ぶなら
私が3を選んだのは、私の持ち札と動機がそうだったからです。3が正解だと言いたいわけではありません。
- 学歴や前職の看板がある人は、ルート1の後追い(20代後半でコンサル)が最も確実だと思います
- 営業が得意で、数字に追われる環境が苦にならない人は、ルート2がいちばん早い。私には合わなかっただけで、再現性はいちばん高い道です
- 「会社員として勝つ」ことにこだわりがない人は、ルート5を最初から並行させるのが合理的です
- 何も持っていない人は、ルート3。ただし入場券を自分で作る数年間が必要です
やってほしいのは、4つの軸で自分の表を埋めてみることです。
- 入場券を持っているか
- 何歳までに届きたいか
- 稼ぎ続けられる構造か
- 自分がその道で本気になれるか
特に4つ目を軽く見ないでください。目標は、自分が本気になれるものでないと続きません。
まとめ
- 年収は、能力より「どの席に座るか」で決まる
- 30代前半で1000万に届くルートは5つ。それぞれ入場券が違う
- 持ち札と動機を4つの軸に当てはめれば、選べる道は自然に絞られる
- 道が決まれば、次の一手は逆算で決まる
23歳の私は、年収260万の派遣社員でした。それでも表を埋めてみたら、通れる道が1本だけ残りました。何も持っていなくても、道が0本になることはありません。
※ 総務省「令和4年就業構造基本調査」より。30〜34歳の雇用者のうち年収1000万円以上は1.3%。



