23歳・年収260万の派遣社員から、28歳で年収900万になった。この話をすると、「それは運が良かっただけでは」と言われることがあります。
半分は、その通りだと思っています。
この記事では、実際に運が良かった部分を隠さずに書きます。そのうえで、残りの半分、つまり運を拾うために自分がやっていたことを書きます。
運が良かったこと
私の5年間には、自分の力ではどうにもならなかった幸運が、少なくとも3つあります。
1. 派遣先が、たまたま管理職不足に困っている会社だった。 私が派遣されたコールセンターは、マネジメント層が定着せず、人が足りていませんでした。だから、入って3か月の派遣社員に正社員登用の話が来て、半年でマネージャーになれた。管理職が足りている会社に派遣されていたら、同じことをしても同じ結果にはなっていません。どの会社に派遣されるかは、私が選んだわけではありませんでした。
2. 転職のタイミングで、市場が売り手市場に変わった。 新卒の会社を辞めた直後はコロナ禍の2年目で、転職活動は全滅でした。ところが、2回目の転職を考えた頃にはコロナが落ち着き、市場は売り手に変わっていました。職歴3年・転職2回目という経歴でも大企業に入れたのは、この時期だったことが大きいと思います。
3. 関数やGASが書けるだけで、差がつく時期だった。 私が派遣先で業務を自動化した頃は、まだ生成AIが広まる前でした。現場で関数やGASが書ける人はほとんどいなくて、独学で少しできるだけで重宝されました。いまなら、AIを使えば誰でもできることです。
同じことをしても、同じ結果になるとは限りません。私の話を読むときは、ここを割り引いて読んでほしいと思っています。
不運が、入口に変わったこともある
一方で、当時は不運だと思っていたことが、あとから見ると入口になっていた、ということもあります。
新卒の会社を辞めたのがコロナ禍だったこと。これは当時の私にとって、はっきり不運でした。転職活動は全滅し、生活のために派遣社員になるしかなかった。年収は350万から260万に落ちました。
でも、その派遣先が、管理職不足の会社でした。コロナ禍でなければ、私はどこかの会社に普通に正社員として入り、23歳でマネージャーになる機会には出会っていなかったと思います。
運と不運は、その時点では区別がつきません。区別がつくのは、あとからです。だとすれば、不運に見える状況に置かれたときにできるのは、「ここに入口はないか」と探すことだけです。
運を拾える状態でいる、ということ
運そのものは、コントロールできません。でも、運が来たときに拾えるかどうかは、自分の側の問題です。振り返ると、私は3つのことをやっていました。
1. 目標があったから、それが運だと気づけた
管理職不足の職場にいた派遣社員は、私だけではなかったはずです。でも、それを「チャンスだ」と読んだ人は、ほとんどいなかったと思います。普通は「大変な職場だな」で終わります。
私がそう読めたのは、「30代前半で年収1000万」という目標があり、そこから逆算して「まずマネジメント経験が要る」と分かっていたからです。何を探しているかが決まっていないと、目の前にあるものが運なのかどうかも判定できません。
2. 運が来る前に、準備を始めていた
関数とGASを学び始めたのは、正社員登用の話が来る前です。誰にも頼まれていない段階で、1日2時間を学習に充てて、業務改善を自分で作っていました。
声がかかってから準備を始めても、間に合いません。運は、すでに動いている人のところに来たときだけ、形になります。
3. その場に居続けた
当たり前のことですが、運は、その場にいる人にしか来ません。派遣先で「すぐ辞めて、正社員の口を探そう」と腰かけのつもりで働いていたら、管理職不足という状況が自分に関係のある話だとは気づかなかったと思います。
目の前の仕事に、本気で関わっていたこと。これが、いちばん地味で、いちばん効いた条件でした。
「運が良かっただけ」への、私の答え
半分は、その通りです。派遣先も、市場の変化も、時代も、私が選んだものではありません。
残りの半分は、こうです。どの運も、「目標から逆算して、次に必要なものを探していた」から拾えたものでした。
うまくいった人の話には、必ず運が混じっています。私の話も同じです。だから、やり方をそのまま真似しても、同じ結果になるとは限りません。
真似してほしいのは、結果ではなく、状態のほうです。目標が数字と期限で決まっていて、逆算で次に必要なものが分かっていて、運が来る前に準備を始めている。その状態でいれば、来る運の種類は違っても、拾える確率は上がります。
まとめ
- 「運が良かっただけ」は、半分その通り。派遣先、市場の変化、時代は、自分で選んだものではない
- 不運に見えたこと(コロナ禍での退職)が、あとから入口になっていたこともある。運と不運は、その時点では区別がつかない
- 運そのものは選べないが、拾える状態でいることはできる
- 目標があるから、運だと気づける。準備を始めているから、形になる。その場にいるから、運が来る
- 真似するなら、結果ではなく、運を拾える状態のほうを



